オミクロン株の影響で、息子がお世話になっている幼稚園の組が、またもや学級閉鎖で冬休みが再到来~。
その休みも、2月からやっと解除になり、約1カ月ぶりの記事投稿になったボイジャーです。
さて、そのような中でも、せっせと息子とブログネタ作りには励んでおりました。(笑)
今回は、年末に障子の貼り換え&桟のサンダー掛けに引き続き、以前から気になっていた非常~に汚れと日焼けが激しかった襖の表紙を、息子と一緒に新年早々、交換した時のことを書いてみたいと思います。
ちなみに、今回の襖紙の交換作業を動画にもしましたので、よろしければご覧ください。
襖の種類
襖と言っても、ざっと以下のとおり4種類ほどあります。
・襖本
昔からある襖で、組子と呼ばれる骨組みの上に紙を数枚張り、最後に上張りと呼ばれる一番表の紙を貼る襖。
紙は、縁のみに糊を付けて張り付ける(浮かし張り)ため、下にある紙をそのままリユースできたり、調湿性があります。
・チップボール襖
本襖とよく似ていますが、組子が本襖より少なく、組子に最初に貼る紙は、強いボール紙を使っている襖。
一般に、よく見られます。
貼り方は、浮かし張りです。
・戸襖
組子にべニヤ板が貼られてあり、その上に襖紙がベタ貼りしてある襖。
部屋の間仕切りなどによく使われ、枠は外れないものが多いです。
本襖より、防音、防寒性が高く、丈夫ですが、襖紙の貼り換えは、前の襖紙を剥がさず、重ね貼りするので、古い襖は、反ってしまう場合があります。
・段ボール襖
材質が段ボールでできているため、軽くて安価な反面、耐久性が弱い襖。
襖紙の貼り方は、ベタ貼りです。
参考出典:『我が家を速攻メンテナンス』学研
有限会社富士産業ホームページ(https://e-fusuma.co.jp/products_tipball/)
このように、襖の種類によって、襖紙の貼り方が異なるので、襖紙の交換作業に入る前に、交換する襖の種類を判断する必要があります。
実は、今回、このようなことは全く知らずに襖の貼り換えに臨んだので、大失敗することになりました。
でも、何とかリカバリーして、奇跡的にきれいに仕上がりました。
用意するもの
用意するものは、すべてホームセンターに行けば揃います。
襖紙は、柄にこだわらなければ、1枚1000円前後で売っています。
種類も、純粋な紙だけの襖紙の他に、襖紙の裏面がシールになっているタイプやアイロン掛けをして貼るタイプ、糊があらかじめ塗ってあり、貼る時に水分を付けて貼る再湿タイプと呼ばれるものなど色々あります。
あとは、下の写真の通り、しわを取るための、おさえ刷毛(なで刷毛)や引き手をとめている小さい釘を引き抜くラジオペンチ、襖の枠を外すときに使うインテリアバール、ハンマー、襖紙を切る鋏、襖紙を固定するセロハンテープと今回は、再湿タイプの襖紙を使うのでスポンジを用意しました。
天枠と地枠外し
今回、貼りかえる枚数は、4枚です。
元々の襖紙が、あまりにも見苦しかったので、ここに載せるのは、ちょっとスルーさせていただきました。
ということで、引き戸を取って、ヤケと汚れがすごかった襖紙をビリビリ破って、その下に中途半端に貼ってあった茶色の薄い紙もシミが付いていてあったので、取り去ったところがこれ。
この時は、茶色の薄い紙が茶チリ紙と呼ばれる、襖の凸凹を隠す役割をしている紙だということは、知る由もありませんでした。
枠の外し方は、10年ほど前にも襖の貼り換えをしたことがあったので、何となく記憶に残っていたので、スムーズにできました。
(恥ずかしながら、10年前に襖の枠外しを強引に力任せでやったのでバキッと枠を割ってしまった苦い所業があります。)
それでは、早速、襖の枠外しにかかります。
まずは、天枠(上桟)と呼ばれる上の枠から外します。
天枠は、隠し釘と呼ばれる長い釘2本で襖に固定されている場合が多いです。
今回の天枠も、隠し釘でした。
この天枠を外すには、ふすまバールとかインテリアバールという名前で、専用のミニくぎ抜きのような道具がホームセンターに売られているので、それを使いました。
建具職人の方は、2、30cmくらいの角材の縁を枠の下に押し当てて、角材を金槌でコンコン叩いて簡単に外されますが、天枠の下は数ミリしか段差がないので、素人が同じようにやると、角材が滑って枠の塗装を傷つけてしまいそうだったので、本職さんのやり方は、ちょっと遠慮しました。
インテリアバールで天枠を外すコツは、天枠の端のほうを手で上に引っ張ると若干隙間ができるので、その隙間にインテリアバールのヘラみたいなほうを突っ込んでほんの少しこじます。
あまり力を入れてこじると、枠の塗装が傷ついたり、塗りの枠の場合、塗りが剥がれたりしてしまうので、慎重にちょっとづつこじることをお奨めします。
すると、枠と襖本体の隙間が真ん中にもできるので、インテリアバールを真ん中に入れ直して、少しだけこじます。
枠と襖本体の隙間が5mm程度開くと、あとは手で天枠を取ることができます。
天枠が外れたら、地枠(下桟)を同じ要領で外します。
天枠、地枠から出ている釘は危険なので、取り外した枠は、机や棚等足元以外の所に置くことをお奨めします。
横枠を外す
次に、横枠(竪縁・たてぶち)を外します。
横枠は、枠の下に釘の頭が通る溝が切ってあり、襖にあらかじめ数ミリ浮かして打ち付けられた釘の頭を、この溝に通して留められています。
横枠は、枠の下側を角材などであて木、若しくはあて布をして金槌で叩きます。
横枠がずれてゴソゴソしたら、手で横枠をスライドさせて外します。
茶チリ紙を貼る
最初は、この茶チリ紙の役割を全く知らず汚いからという理由だけで、バリバリ剥がして、その状態で障子紙を貼っていました。
そのような感じで、2枚目の襖紙を貼り終えてみた時点であらためて襖を見ると、若干しわがある部分が見られました。
どうも、貼った襖紙の下に軽い凸凹があり、そのためにしわが出ているようです。
貼っている時は、気にならなかったのですが・・・。
ここで、あの薄い茶色の紙の役割がやっとわかったのです。
ということで、息子と一緒に茶チリ紙を貼っていきました。
この紙は、ベタ貼りではなく、縁だけに糊付けして貼っていきます。
糊は、昨年、障子紙の貼り換えを行った時の残りを使いました。
すべて貼り終えたので、早々に襖紙を貼りたいので、ドライヤーで糊を乾かします。
すべて、茶チリ紙が貼れました。
襖紙の貼り付け
襖紙は、糊不要で水を塗るだけで使える再湿タイプを使いました。
このように丸めて販売されているので、襖を立てた状態で貼っていくには、ちょっと難しいと思ったので、襖紙をシートの上に広げて四隅をセロテープで固定して貼ることにしました。
今回の襖の幅は、約65cmと小さいため、あらかじめ作業しやすい長さに襖紙を切った後、襖紙の四隅をセロテープで固定しました。
次に、購入した襖紙の説明に、スポンジに水を含ませ襖紙の裏面を軽くこすってしばらく待つと書いてあったのですが、霧吹きで水を襖紙の裏面に吹きかけ、スポンジで軽くこすった後、襖紙を貼りました。
で、貼ってみて大失敗!
一生懸命、障子紙のしわを伸ばして取る作業をしているのですが、襖の1/3くらいの所から、全くしわが取れません。
まいりました!
人生に失敗はつきもの。
失敗してもリカバリーできればOK!
ということで、茶チリ紙のことは気にせずに襖紙をしわのある所まで剥がし、まずは、襖の片側の縁だけに襖紙を引っ張りながら糊付けし、その後、襖の反対側の縁をしわが出ないよう引っ張りながら慎重に作業を進めました。
作業すること約1時間かかって何とか修正しました。
この時は、まだチップボール襖は、浮かし張りをするということまで考えが及ばず、最後の4枚目は、茶チリ紙なしでベタ貼りして終了しました。
さて、何とか貼り終えたものの、やはりしわが何か所か目立ってしまいました。
窪みのような結構大きなしわが一か所。
縁に波しわが1か所。
まぁ、4枚のうち1枚だけなので仕方ないか?という感でした。
しかし、一夜明けて貼りかえた襖を見ると、なんと!しわがどこにあるのかほとんどわからなくなっているではないですか。
Oh! It's a miracle!
糊が乾く過程で、しわがほとんどなくなったようで不幸中の幸いでした。
まとめ
今回の襖の貼り換えは、ホームセンターによくおいてあるDIYのしおりを見て、これだったら楽勝にできると思い、襖紙を買ってやりました。
襖紙は、再湿タイプが一番手間がかからないと思ったので選び、一応、説明書を見たのですが、襖紙は、剥がさずその上から貼る手順が書かれていました。
勿論、枠なんか外しません。
ここで、枠を外さずにきれいに貼る自信がなかったので、その説明書は無視してやったのが、そもそもの間違いだったようです。
貼り終わって、失敗の原因を調べるため、図書館で襖の本を借りてきたり、ネットで襖関係のサイトをみたりしていると、襖紙の交換には、「貼る」と「張る」の二種類があることを知りました。
昔ながらの本襖とチップボール襖の紙の交換は、「張る」作業になり、組子のない襖は、「貼る」作業になるんですね。
今回は、本来「張る」作業をしないといけない所を、襖紙の裏に全面糊付けできる紙を見て、単純に全部糊付けするものと思い込んで作業してしまった所にありました。
また、襖は、高級なものになると、襖紙の下に何重にも重ねて紙が張られ、吸湿性や温度調節に優れているそうで、失敗はしたものの、幸いにして仕上がりは、きれいになり、襖という日本の文化に触れることができたので良い経験になりました。
皆さんも、襖の表を交換する時は、張るのか?貼るのか?をしっかり見極めてから作業されることをお奨めします。